少年マガジンで連載されていた人気漫画に『黒い秘密兵器』というのがある。
主人公の椿林太郎は数々の「秘球」(この作品では魔球ではなく秘球と呼んでいた)を
次々と編み出すのだが、その中でも0の秘球(ゼロのひきゅう)というのが、バツグンだ。
こいつだ。
種明かしを読んだ時には単に「ふ~ん」と読み流してしまったが、後になって恐ろしい、
・・・というか、作者も編集部の担当もデスクも校正係も、みんな文系なのが判った。
その、0の秘球の種明かしとは・・・
この秘球はたいへんな速度でらせんを描くように運動しており、
球が上にあった時の
影の中に、下に移動したとき入るので黒く見える。というものだったと記憶している。
賢明な毒者諸氏は、すでに論点をお見通しだろう。そう、この0の秘球とは・・・
光速度より早く運動しているのである。
・・・それだけ早ければ直球勝負でも打てない、と思うのは僕だけだろうか?
しかし、さすがにこの秘球には欠陥があった。
ニュートン力学もアインシュタイン物理学も無視している、という点ではない・・・。
この球を投げると「かまいたち」が発生する。
そのために危険球として禁止された。
・・・かまいたち程度で済んでいたのだから、めっけものである。(汗)
主人公の椿林太郎は、ルールブックちゃんと読まない野郎だったようである。
こんなところにも彼のおちゃめな性格が現れている。
この変化球は「バタフライボール」とかいう名前だったが・・・
・・・ボールの糸を抜いてヒラヒラさせただけだった。(笑)
物理学に対しても、また、ルールに対してさえ、
昔の野球漫画は総じておおらかだったといえる。(爆)
ちなみに、従兄弟の軟式野球ボールの糸を抜こうとしボールを切って、中から
ゴム糸が踊るように飛び出してきて破裂してしまい、肝を冷やしたのは内緒だ。